ワンポイントアドバイス サンプル中の妨害物質の影響について 2020.09.02 オートアナライザー分析における、サンプル中の妨害物質の影響について説明させていただきます。今回は蒸留項目(ふっ素、シアン、フェノール)を対象に説明いたします。 弊社オートアナライザーでは、サンプルを指定した時間吸引した後、純水を指定した時間吸引させてラインを洗浄します。そのため、チャート上に表示されるピーク同士の間隔(ピーク出現位置)は一定の間隔になるのが通常です。しかし、蒸留項目の分析で、ピーク出現位置が一定の間隔ではなく、ずれて検出された経験はございませんでしょうか。 下のチャート①を例に挙げて説明いたします。測定項目はシアンです。4Sは標準液のピーク、5Sはサンプルのピークです。ピークの出現位置が一定であれば、ピークの取得ポイント(青い点)は4Sのピークも5Sのピークもほぼ同じ位置となるのが通常です。5Sのピーク取得ポイントを標準液である4Sの位置と同じに合わせると、チャート①にあるように前方にずれてしまいます。つまり、5Sのピークはピーク出現位置が後方にずれて検出されたということです。チャート②のように 各ピークを縦に並べると出現位置のずれがよりわかりやすいと思います。 蒸留項目の測定においては、このようにピークの出現位置がずれて検出された場合、妨害物質による影響が考えられます。オートアナライザーでは測定が困難なサンプルですので、手分析での検討をお勧めいたします。 kimura@bl-tec.co.jp See Full Bio チャート① kimura@bl-tec.co.jp See Full Bio チャート② kimura@bl-tec.co.jp See Full Bio ※注意 全窒素、全リンの分析では、サンプルに含まれる塩の影響でピーク出現位置がずれて検出されることがあります。妨害物質のピークではございませんのでご注意ください。 栄養塩項目では妨害物質によるピーク出現位置のずれは確認されておりません。 kimura@bl-tec.co.jp See Full Bio kimura@bl-tec.co.jp See Full Bio ワンポイントアドバイスポンプチューブの交換, 蒸留, 蒸留コイルの交換 教育・研究機関における高速多量分析装置の導入 近赤外分光法の定性分析への応用