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- 白しょうゆ及び白しょうゆ加工品への手分析からNIRへの移行・その②
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ヤマシン醸造株式会社
技術部 課長 池嵜重之
弊社、ヤマシン醸造株式会社は愛知県碧南市に1802年(江戸享和2年)創業の白しょうゆ専門の醸造メーカーです。
白しょうゆをはじめ、白だしや白しょうゆとオリーブオイルを合わせたオリーブ白しょう油など多様でユニークな商品を製造販売しています。
弊社では2020年10月下旬より近赤外分析装置Spectra・Star XTを導入しこれまで手分析で1検体あたり約2時間要していたものが3分に大幅に時間短縮できるようになりました。
この効果は調合やろ過工程の待ち時間の短縮、作業性向上につながり、これまで使用していた分析試薬のコスト削減や劇薬の使用がなくなり作業者の安全性改善ができました。
弊社が使用しています検量線プロダクトは全部で5種類に区分していますがその中の「たまりしょうゆ」において検量線作成サンプル数が元々少なく手分析とのずれが若干生じており、2021年の1年間をかけてたまりしょうゆ約100サンプルの検量線追加作業を行い、手分析との差もほとんどなくなり2022年1月から完全にNIRのみでの分析を行えるまでに精度の向上ができました。
検量線追加作業もビールテック原様からご指導頂き、弊社で訓練を何度も行い、現在では自分たちで行えるようになりました。
また白しょうゆの検量線追加作業も継続的に行っており、さらに精度を上げた状態で分析ができております。
白しょうゆ及びたまりしょうゆにおきましてJASマークを貼付したものが多くあり、弊社はJAS認定B工場のため、格付のための検査を認定検査機関に委託しております。
毎月の認定検査機関の手分析値とNIR値を比較し、検量線追加作業を行いサンプル数をどんどん増やしてデータを有効活用しています。
前回のニュースで記載致しましたインフルエンザやコロナ2019感染リスク回避の点から技術部門以外でも測定ができるよう製造部門への教育訓練を行いました。さらに回数を重ねて分析業務体制の強化を図って参ります。
この分析装置を2年5ヶ月使用させて頂き感じておりますことは改めて分析業務の作業性改善が得られたこと、それに伴い生産工程の作業性も合わせて改善できたことです。
現在、コロナ2019感染症も一旦落ち着き、行楽地へ出向くことが増えてきており、中食や外食への需要が高まってきています。
弊社の調味料もその影響でご注文を多く頂き生産現場は忙しさを取り戻しつつありますが、近赤外分析装置のおかげで各工程の検査がスムーズに対応できていることからお客様にご迷惑をお掛けすることなく順調に業務遂行させて頂いています。
今後、しょうゆの食塩分や窒素分の一般成分だけでなく、色やpHなど現在まだ手分析を行っている項目につきましてもNIRでの測定ができないか模索していきたいと考えており、この装置をさらに有効活用していきたいと大変楽しみであります。
ビーエルテック様にはこのように弊社にとりまして多大な改善効果を生み出すことができました装置の導入にご尽力頂きましたことに改めて厚く御礼申し上げます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
~検査担当者の声~
・特別な試薬が必要なく在庫管理がラクになった。
・試薬の調整作業が減った。
・危険な試薬を使用しないので安全に分析できる。
・分析時間が短縮した。→結果、納期短縮につながった。
・分析中含め、他の仕事ができるようになった。(細菌検査、調整計算、清掃、資料作成など)
・異常値が出たり、サンプルを間違えてもやり直ししやすい。
・同じ検量線のサンプルなら、優先順位に合わせて追加や入れ替えも簡単にできる。
・フラスコやビーカー、ピペットなど洗い物が少なくなった。
・装置の日常の掃除がしやすい。
・結果がExcelで出るので過去の分析結果を検索しやすい。
・結果をPC上で保管できるのでペーパーレス化できた。
・Excelが利用できるので分析結果の二次利用が容易になった。
・人によるばらつきがなくなった。
・経験がなくても検査ができる。
・検査の際の人の移動距離が短くなった。